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Ч4. 今日のアルテミシア

 チェルノブイリとニガヨモギが届いてから8日が経った。アルテミシア(ヨモギ属)の名に漏れず、成長は驚くほど速い。届いた時にはアスファルトの隙間に生える雑草サイズだったが、既に植木鉢を占拠しつつある。

栽培スペース全景

 中央に見えるのはサーキュレータである。空気の循環に特化した扇風機のようなものだ。植物の生育には、蒸散した水を吹き飛ばしてくれる微風が重要らしく、確かにサーキュレータを稼働させてから伸び率が上がった気がしないでもない。最初は横から葉が揺れるほどに直風を当てていたが、それほどの強風は厳禁、感じないレベルの空気の循環で充分と知り慌てて天井に向けた。植物ライトがかなり熱を持つのが怖かったが、風が当たって冷却されるようになり一石二鳥である。

 また、植物ライトをタイマーで管理しているので朝の目覚めが良くなった。ロフトベッドから降りてカーテンを開けに行くのは面倒な上、窓際の床が見えず到達も難しいため、私の部屋は基本的に日光が差さない。だからコロナ自粛で部屋から出ないような状態になると、概日リズムは完全におかしくなる。今は実習があって太陽を浴びる機会があるが、それでも朝日と共に起床する、ということにはなっていなかった。

 それが、毎朝決まった時刻に自動で植物ライトが点灯するようになったので、カーテンが空いているのと近い効果を得られている。じゃあカーテンを開ければいいだろうという声は聞こえないこととする。

 こちらがチェルノブイリ。葉っぱ一枚一枚が大きくなり、こんもり茂るようになった。草丈も倍くらいになっている。一枚ちぎって口に入れてみたら、小さかった時よりも強い風味を感じた。日本のヨモギよりクセが少ない、上品な味かもしれない。

 ニガヨモギは今日もきれいな銀色で、のびのびと丈を伸ばしている。こちらも葉っぱ一枚頂いて齧ってみたが、思わず声が出るまずさだった。舌がしびれる苦みと渋み。諸説あれど、常識的な量でヒトが死んだり健康被害が出たりするほどの毒は無いニガヨモギだが、黙示録で人間の大量死を引き起こす星の名前に採用されたのも頷ける。

 ニガヨモギを漬けて香り付けした酒、アブサンというものがある。詳しくは単独記事を書こうと思うが、よくこんな激マズの草を酒に漬けようと思ったものだ。苦み成分は水溶性で薬効・香り成分は脂溶性だから強い酒ならいいとこ取りで抽出できるという理屈のようだ。胃薬、虫下しのように使う薬草としても有名らしいが、つまり具合の悪い状態でまとまった量のニガヨモギを食ってみた輩がいるということ。昔の人のチャレンジャーっぷりには頭が下がる。

2022年4月16日