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Ч2. 苗の印象

2022年4月16日

 昨日到着したチェルノブイリとニガヨモギを鉢に移し、水をたっぷりやって観察を開始した。現時点での2種の区別は、外見で容易に可能である。チェルノブイリはぱっと見特徴を挙げづらい緑色の草で、葉の先端は尖っている。

チェルノブイリことArtemisia vulgaris 和名はオウシュウヨモギ

対するニガヨモギの葉は白っぽく、「銀色」という表現が似合うような見た目をしている。苗の育ち方の問題である可能性も大きいが、チェルノブイリはこんもり茂る感じであるのに対し、ニガヨモギは垂直にスマートに伸びている。美しい草だ。

Artemisia absinthium ニガヨモギ

 小さい苗から葉っぱをちぎるのは心苦しいが、味を確かめるためそれぞれ切れ端だけ口に入れてみた。チェルノブイリは草餅のような味が僅かにするが、基本的には普通の葉っぱ味(私は泥酔するとその辺の葉っぱをかじることがある)。一方のニガヨモギはその名に違わず、じんわり広がるイヤーな苦味がしばらく後を引く。若干しびれる感覚もある。今のところ見た目、味共にニガヨモギの印象は強烈だ。

 チェルノブイリに関しては、少し拍子抜けするくらいただの草だ。学名のArtemisia vulgarisの種小名vulgarisは群衆、集まりなどを意味する名詞vulgus が形容詞になったもので、「普通の、一般的な、シンプルな」といった意味である。英単語vulgarの語源だが、英語では野蛮な、下品なと言う意味が強い。ロシア語でもチェルノブイリニクなどの他に、パリィーニ・オブィクナヴェンナヤ(普通のヨモギ)や単に「雑草」と呼ばれることもあるという。

 ただしこれは現時点の印象だ。草丈は低く茎も青々としていて、全くチェルノ(黒い)ブイリ(茎)ではない。大きくなると特徴が出てくるのだろうか。また、日本のヨモギの苗が届いた時点ではあまりヨモギらしい味がしなかったが、大きく育った今では葉っぱを揉むと良い香りが楽しめるようになったことを考えると、芳香成分も変わってくるものらしい。

少なくとも草丈10cmに満たないようなサイズでは、私の手元のチェルノブイリとニガヨモギはあまり似ていないと言っていい。共通点を探す方が難しいくらいの勢いだ。これが今後どう変わっていくか楽しみである。興味深いのは、私は実際買うに至るまで画像検索で何度も2種を見比べていたのだが、ここまで違うと思ったことは一度も無いことだ。だからこそ、ヨハネさんの区別力も疑った。

 画像検索で出てくる写真は成長段階や撮影時の光の加減などがまちまちで、特徴がマスクされてしまう。様々な角度から見た立体的な印象や立ち姿もわかりづらい。百聞は一見に如かずと言うが、図鑑や画像検索と実物の間にも万里の隔たりがあると改めて感じた。

2022月4月9日